「この社長のもとでならやっていける」と直感
- 「中学時代はソフトボールに汗を流すスポーツ少女でしたけど、性格的には控えめな感じでした。つねに人の後ろに引っ込んでるような。でもスポーツは好きで、高校に進学後もソフトボールは続けていましたし、とにかく練習量がハードだったので食欲もお旺盛でしたね」。帰り道、友人たちとおしゃべりをしながらお菓子を食べるのが日課だったという彼女。それでお菓子好きが高じて、お菓子業界へ……という訳ではなく、虎屋商事へ就職を決めた最大の理由は「社長の人柄」だったとか。「就活では事務職を探してたんです。企業説明会で社長とブースで話したんですが、惹かれる点がありましたね。お菓子業界の可能性についてすごく熱く語ってて、圧倒されました。そして、説明会なのになぜか自画像を描いてみるというミッションがあって。そこで私は自分の顔を、デフォルメして描いたんです」。それが高柳社長の目に止まり、いろいろ話をしたところ、親身になって話を聞いてくれる社長の姿勢に感銘。「社長も面白いし、なによりお菓子の世界って楽しそう」、そう感じた小川さんだった。
1人前に仕事をこなす自分を想像して頑張る日々
- 電算の仕事で小川さんがモットーとしているのが正確性とスピード。もちろん、まずは正確な注文を受けられるようになったのち、スピード性を上げていったんだそう。「入社したばかりの頃は、わからないことだらけだったし、とにかく無我夢中で働いているだけでした。テキパキ仕事が出来ない自分がもどかしくて、「早く1人前になって仕事をこなせるようになりたい!」って思ってましたね。周りから信用されているな、と感じられるようになったのは3年目くらいかな」。今まで別の人に仕事を頼んでいた営業の人が、わざわざ小川さん指名で頼んで来た時は嬉しかったそう。「やっと私も一人前として認められたんだ」という思いが、さらに業務をスムーズにこなす潤滑油としての効果を発揮することで、認められたと実感できた。互いに競い合うようにスキルを磨く同僚たちだが、普段の仲はもちろん良好。「虎屋商事の社員は全体的に人柄の良い人が多いから居心地も◉。部署関係なく仲良くなれる社風も魅力です」
必死になって頑張った8年、そこには新しい自分が
高柳社長との運命的な邂逅を果たした小川さんは、2010年の春、虎屋商事に入社する。「今年で入社8年目ですけど、入社以来とにかく必死に、でも好きなようにやってきました。そのうち、電算以外の仕事も頼まれるようになっていって。昔の私は引っ込み思案でしたけど、本当の私は目立ちたがり屋だったのか、と笑」。新人だった頃と比べると電算以外の業務でも精通しているという自信が持てるようになったと言う。「仕事に自信が持てるようになった経験を後輩たちにも伝えていかないと。後輩たちにも自信を持って働いて欲しい。まずはそのための環境づくりから出来ていけたら」。右も左も分からなかった入社直後では気付かない自身の素質、それを上手く気付かせてくれる虎屋商事の環境は、学生の頃に感じていた自らの人間性が大きく成長していることを実感させてくれるはず。会社の中で自分の立ち位置を確立していくことは、社会人として大いなるやり甲斐に繋がっています。
お客様第一主義と業務効率の向上は表裏一体!
- 「お客様の注文って手書きで来ることが多いんですけど、商品名だけしか書いてない場合が多くて。例えばアルフォートって書いてあっても、普通サイズなのか大袋なのか明記されてないんです。だからお客様の過去の注文実績を調べたりして判断しなきゃならないのが大変でした」。記載漏れを軽減するため、小川さん主導で顧客用の注文票を作ることに。最初はなかなかお客様的にも記入する手間を嫌って敬遠されがちだったものの、そういったお客さんの声を聞いて手直しを加えることで使ってくれるお客様が増え、今では多数のお客様が注文票を使ってくれているという。それによって発注管理がやりやすくなったそう。「使ってくれるお客様はいる訳ですから、方向性としては間違ってないけどお客様目線で作ってなかった点もあったと思い、改善しました。最初使ってくれなかったお客様が使い出してくれるとガッツポーズしちゃいますね」。創意工夫で仕事の環境を整えている彼女の姿勢は、どんな業界でも見習いたいところ。ルーチンワークに陥りやすい電算という業務、日々の積み重ねと常時「もっとより良いやり方を」と模索する前向きなスタンスこそが、毎日の達成感を感じさせてくれる秘訣だろう。